令和8年9月の取材記事一覧

法勝寺地区 NO.04

令和8年9月 南部町法勝寺地区

南部町の中央に位置し、法勝寺川の桜並木や豊かな田園風景が広がる法勝寺(ほっしょうじ)地区を訪れました。

【蜜蜂とともに歩む自然の恵み・里山農家民宿 まなびや / 養蜂】
歩いていると「里山農家民宿 まなびや」の看板を発見。
藤原良一さんにお話を伺いました。 藤原さんは農家民宿を営む傍ら、約40年前から趣味で始めた養蜂を本格化させ、20〜30年にわたり養蜂家としても活動されています。
法勝寺地区で採れるハチミツは、レンゲやアカシアのほか、周辺の木々に咲く花から集められた「百花蜜(ひゃっかみつ)」が中心。猛暑の中、ミツ蜂たちが自ら羽を羽ばたかせて風を起こし、巣の温度を下げようと奮闘する健気な姿も紹介されました。
今回試食させていただいたのは、貴重な「センダン(栴檀)のハチミツ」。透明感のある美しい色合いと、甘さだけでなくコクと深みのあるスッキリとした味わいが特徴です。藤原さんのハチミツは「法勝寺まごころ市」や「法勝寺温泉」「アスパル」、「道の駅奥大山」などで販売されています。
コロナ禍より前に、有志5人ほどで「農家民泊協議会」を立ち上げ、 以前は中国、台湾、オランダ、スコットランドなど海外からの宿泊客も多かった。
最近は少し客足が落ち着いているが、受け入れる側も年齢的に体力が要ると笑っておられました。

【地域を巡り福を届ける伝統舞踊・伊勢神楽(いせかぐら)】
続いて道を進んでいると、笛や太鼓の音とともに着物姿で歩く一行に出会いました。お話を伺ったのは「伊勢神楽」を継承する加藤菊太さんです。 伊勢神楽は、かつて伊勢神宮へ直接参拝することが難しかった時代に、人々に代わって全国を巡り、神宮のお札を配りながら獅子舞を奉納したのが始まりとされています。頭を噛んでもらうことで無病息災や悪霊退散を願う、地域に根ざした大切な伝統行事です。 加藤さんたちの本拠地は三重県桑名市ですが、加藤さんご自身は米子市出身。2代前の親方(おじいさん)が旅先でご縁を得て鳥取へ移住して以来、鳥取に拠点を置く唯一の伊勢神楽の組として代々受け継がれてきました。高齢化や後継者不足という課題に直面しながらも、若い世代へ技術と想いを繋ぎ、地域の人々に笑顔と福を届け続けています。

【キナルなんぶ】
「キナルなんぶ」では、「隕石」と伝わる不思議な石をお借りし、保管に携わった青砥住職にお話を伺いました。
南部町大木屋(日南町との境目付近)のお墓に落ちてきたと言われており、持ち主(檀家さん)から「拝んでほしい」「なんとかしてほしい」と託されたそうです。
当時、夜中に大きな爆発音が響き、翌朝墓地に大きな穴が開いてこの石が落ちていたとのこと。高校生だった青砥住職もその音の記憶があり、新聞記事(昭和40年)にも「大爆音」の記録が残されています。
実際には磁石がしっかりくっつくという隕石特有の性質も見られますが、岡山大学の惑星物質研究所に相談したところ「専門家でも隕石と断定するのは難しい」とのこと。真相は謎に包まれています。ご覧になっている専門知識をお持ちの方。ぜひ調べてみてはいかがでしょうか?

【アメリカン&ローカルが融合する極上バーガー・バサリーヒルズバーガー】
続いて訪れたのは、デザイン事務所「d-magic」の隣に構えるおしゃれなハンバーガーショップ「バサリーヒルズバーガー(VASALLY HILLS BURGER)」。オーナーの吉田有希さんが出迎えてくれました。 地元「馬佐良(バサラ)」で生まれ育った吉田さんが、「地元を盛り上げたい」との思いから2025年9月にオープン。フレッシュな生野菜をあえて挟まず、肉本来の旨味とボリュームをダイレクトに味わえるアメリカンスタイルのハンバーガーが自慢です。 今回いただいたのは、看板メニューの「プルドポークバーガー」。じっくり煮込んだホロホロの豚肩ロース(プルドポーク)とジューシーな牛肉パティが重なり合った、肉好きには堪らない迫力満点の一品です。地元の「大山小麦」をブレンドした香ばしい特製バンズとの相性も抜群。さらに、オープン1周年を迎える9月のマンスリーバーガーとして、地元ブランド牛「恩田さくら和牛」を使用したスペシャルバーガーも登場予定です。

【川の命を見守り未来へ繋ぐ・なんぶ里地里山クラブ】
最後に訪れたのは、法勝寺川の護岸沿い。ここで環境保全活動を行う「なんぶ里地里山クラブ」の桐原真希さん、百合香さん、そして米子市から参加する中学生に出会いました。 このクラブは、かつての法勝寺中学校科学部の活動を引き継ぐ形で発足した地域クラブ(部活動地域移行)で、町内外の中学生やその家族が参加しています。

護岸工事が進む中でも、国の特別天然記念物である「オオサンショウウオ(はんざき)」の生息環境を守るため、人工の「はんざきブロック(隠れ家)」の設置や、定期的な生息調査・観察会を実施されています。
この日の調査でも、川底の石をひっくり返しながらサワガニやカワヨシノボリ、イソコツブムシなど多様な水生生物を発見。「いつかオオサンショウウオを自分の手で見つけたい」と目を輝かせていました。地域の豊かな自然と子どもたちの探究心が共に育まれる、温かな活動が行われています。