令和4年12月
7年ぶり3回目になります。
【福榮神社】
福が栄えるという意味で福栄と言われている『福栄』地区
みなさんの心のよりどころ、開運八社めぐりの1つである福栄神社で、地域の歴史に詳しい松田さんにお話をうかがいました。
【九塚川】
福榮神社の目の前に流れる九塚川は日野川の支流の1つ。
3年前に福榮の歴史をまとめた『九塚川ヒストリー』が完成(2022年12月現在)
約2年かかってまとめられたそうです。
【日南のかしら打ち】
家内安全・牛馬繁栄・五穀豊穣の祈願と感謝の思いを込めて奉納される郷土芸能で、 毎年11月の第3日曜日に福榮神社で開催され、太鼓・獅子舞・猿田彦の舞が奉納されています。
明治以前から行われていたと伝えられているそうです。
戦時中に一度途絶えたものの昭和28年(1953年)に復活されました。
かしら打ち保存会があり、小中学生から大人までが一緒になり舞を披露されているそうです。
2005年、県指定無形民俗文化財に指定されました。
【福榮神社境内・イチョウ】
福榮神社の境内へ行ってみました。
まさにイチョウの絨毯です。
【野分の館】
(井上靖さんの記念館)野分の館の保存を行われている野分の会の長谷川会長にお話をうかがいました。
保存会のメンバーは20名くらい。日南町の方が多いそうです。
年3回、(6月、8月、10月に)草刈りなどを行っておられます。
1月29日は井上靖さんの命日で、毎年大好物の塩ぼたもちを備えて、碑前祭を行って おられます。28年くらい続けていらっしゃるそうです。
1945年(昭和20年)6月18日から半年ほど、井上靖さんの家族が大阪での戦火を避けるために疎開して来られ、自身もしばしば訪れました。
当時疎開先を見つけるのはとても大変だったそうですが、 知人・親戚を頼って、福栄へ疎開されたそうです。
昭和40年撮影・当時の家
【野分の館】
長谷川さんに野分の館を案内していただきました。
ゆかりの品々が展示されており、一般の方も見学可能です。(無料)
野分の館の名前の由来になった作品も展示されています。
【白谷工房】
中村さんにお話をうかがいました。
前回お邪魔した時は、ご自宅でしたが、保育園の跡地を利用した工房へ移転してこられました。
【寄木細工】
県展に出品した作品が飾られていました。
アクセサリーも作っておられます。人気はピアス。
黒い木は神代欅と呼ばれる貴重な木を使用されています。
【神代欅(じんだいけやき)】 鳥取市の本高弓ノ木遺跡から出土した約2700年前の貴重な欅です。
工房を起ち上げて10年。(2022年12月現在)
もともと大工さんだった中村さん。解体した木や現場ででる端材が捨てられるのがもったいないとの思いをずっと持っていて、試行錯誤しながら独学で寄木細工を習得されたそうです。
10周年を記念して、ご自身でつくられた壁。インスタ映えを目的に作られたそうです!
ペンキは塗ってありますが、向かいにあった福榮小学校の廃材の一部も使用されています。
押しピンの跡など、それぞれの木に思いがたくさん。
これからの作品にも注目していきたいです。
【サクラソウを守る会】
13年ぶりにお邪魔しました。
4月下旬から5月10日頃が見頃
その年の気温によって、開花時期は変わりますが、だいたいGW前後が見頃です。
メンバーは12名くらい。
活動は、年2回、木道を直したり、石段を舗装したり、草刈りなどを行っておられます。
4月上旬から下旬は、交代で案内や盗掘を防止するため、常駐されているそうです。
【サクラソウ】
ピンクと白の2種類で、湿地帯でしか咲かない花です。
2020年5月に県の天然記念物に指定されました。
昨年(2021年)、大雨の影響で土砂が崩れ、埋まってしまったそうですが、取り除く作業をして、今年は無事開花。(2022年12月現在)
さまざまな環境条件が整っていないと自生できないサクラソウ。 豊かな自然が残っている証ですね。
【玉泉寺】
住職の門原さんにお話をうかがいました。13年前は奥様にお話を聞きました。
会館で葬儀の際に司会をされたという本池さんが勉強会にいらっしゃっていました。 中海テレビ放送の番組でもお世話になった方です。懐かしいです。
住職の話を聞くだけではなく、お経について住職お手製の教本で勉強されていました。 歴代の住職の名前を挙げ、先代がいらっしゃるおかげで今の自分がある。といった意味だそうです。
受け継いだ命は、2代目だと6名から(両親、祖父母、祖父母)、 6代遡ると126人からになります!
10代目まで遡ると2026人!
これだけの命を受け継いだ者同士が出会うのはまさに奇跡。一期一会ですね。
【六道絵】
人間の世界を表している 1人では生きていけないので、お互いに支え合って生きていくためには・・といった教えの意味だそうです。
平成27年6月放送
左【福栄開運売店】
福栄神社に向かうと、開運売店を見つけましたよ!
中【招福袋】
ガマズミの実で染めた袋だそうです。近所の方が染めて縫って作っているそうです。
右【売店入り口】
近所の方がお休みの日に当番制で店番をしているそうです。
誰も居ないときには、電話をかけたらどなたかが駆けつけるんだとか!(笑)
※現在、不定期営業のためご利用の際はドアに表示の連絡先までお問合せください。
左【福栄神社】
参拝に来ました!ここの階段は124段あるそうです。階段を上がると、途中に随身門がありました。
中【随身門】
随身門は足の神様だそうで、地元の方々は右、左、門の奥の社の順にお参りをするそうです。
右【境内】
境内には左右に護身木があります。樹齢300年のイチョウの木は秋になると葉が落ち、
境内を黄色い絨毯のように染め上げるそうです。
神社には地元の方のみならず、県外の方も参拝に訪れるそうです。
左【中村さん】
木が沢山あるので何に使われるのか聞いてみると、中村さんは大工と寄木細工というのをされているそうです。
せっかくなので、寄木細工の作品と作業場を見せていただくことに!
中・右【多面体作品と後藤さん】
作業場に着くと、天井付近に面白い作品が。こちら、中村さんの叔父さんが作られたそうです。
なんと、昨年の7月に訪れた日南町石見東で出会った、多面体職人の後藤さんの実家が中村さんの家だそうです。
左【寄木細工】
こちらが中村さんの作品です。細かな木の組合せがすごいですね!
中【作業場】
ここで色々な作品が生み出されているんですね!
右【ヘアゴム】
中村さんの作品であるこのヘアゴムがドラマで出ていたそうですよ!
インターネット販売もしているそうで、そこから衣装担当の方が購入してくださったそうです。
左【挧木(とちぎ)さん】
道を歩いていると、トマトを育てているビニールハウスからクラシック音楽が!
栽培している挧木さんにお話を伺ってみました。
右【ビニールハウスの中】
ハウス内を見せていただきました。スピーカーで大音量でかけているそうです。
色んなものに聴かせて美味しくしようとしているとか。この取り組みは10年ほど前から
始めたそうです。
左・中【巣箱】
道すがらに見つけた不思議な箱。挧木さんに尋ねたところ、『ブッポウソウの巣箱』だそうです。
ブッポウソウは、別名「森の宝石」と呼ばれ絶滅危惧種に指定されています。
巣箱につながった線は、巣箱に調査の為のカメラがついているからなんだとか。
右【モニター】
少し離れた納屋の中に巣箱の様子を見るためのモニターが設置されていました。
左【伊田さん】
かつては庄屋だった伊田さんのお宅へ伺いました。
今でもその佇まいを残す家の中を見せていただきました。
中【出入り口】
この出入り口は、昔から偉い方が出入りするときにだけ使われていた入り口だとか。
現在ではお坊さんが拝みに来られるときだけ開けるそうです。
特別にこちらから入らせていただきましたよ!
右【天井】
こちらの天井は竿縁が床の間と垂直になっています。通常の家は平行な作りですが、
この作り方が庄屋の証なんだそうです。
左・中【井上靖記念館:野分の館】
戦時中、知人を通じて井上靖の家族がこちらに疎開した事から交流が始まったそうです。
後に、この地を舞台に小説を書かれ、そのかつての関わりを伝える為に作られた館だそうです。
右【私と福栄】
井上靖が直筆で書いた原稿もありました。ここには、
「生涯忘れることの出来ない沢山の思い出に満たされた半年であった。」と書かれていました。
こんなにも沢山の写真や作品が並んでいたとても見ごたえのある記念館でした。
井上靖さんは日南町の名誉町民第一号だそうです。
【ブッポウソウ】
最後にもう一度モニターがある納屋に寄ってみました。このときには入っていませんでしたが、野鳥の会の方が
モニターの録画された画像を確認しているところを挧木さんがカメラに収めていてました!
こちらがブッポウソウです!やはり来ているんですね。