CROSS TALK 2022

PHASE. 1
とにかく一人で悩まず、失敗はネタにする

清水
今年で開局33周年を迎え、これまで大変なご苦労もあったと思います。業務などで厳しい局面に直面したとき、どうやって乗り越えて来られたのですか?
社長
とにかく一人で悩まないことですね。周りの人に相談することで乗り越えてきました。自分一人で乗り越えたことは何一つない。色んな人が一緒になって、色んな知恵を出せば道は必ず開けます。そして失敗や苦労は、将来の大切なネタだと考えるようにしています。大変な目に遭った苦労話は成功例より面白くて、反面教師として聞く人のお役にも立ちます。だから山あり谷ありの人生で、谷のネタがあればラッキーだと思っています。
清水
そのような考え方は、いつ頃からされているのですか?
社長
社会人になって、沢山の人と出会ってからですね。実際に大失敗された人とも出会い、その経験談から学ばせてもらいました。失敗したことを語れるようになれたら、聞いてくれた人が強くなれるかもしれない。今日のメンバーの中で、一人でもそう思ってくれたらいいなと思います。それが私に失敗談を語ってくださった人への恩返しになりますから。まぁ、後で振り返ると大体のことはたいしたことない。それだけ覚えておいてください(笑)
嵯峨根
もし、過去の失敗で話せることがあれば教えてください。
社長
入社後、24歳で営業責任者になったときは失敗ばかりでした。意気揚々と開催したサービスの代理店説明会では、電器店の方に「アンテナ工事をなくす中海テレビなんかに協力できない」と、そっぽを向かれました。その他の代理店の方からも非難の嵐。本当に、あれは最初の頃の大失敗。今では、その後の担当者の頑張りのおかげでどこにも負けない信頼関係が構築され、自慢の代理店、取次店組織となりました。プライベートな失敗ならもっとありますが、それはまたお酒の席で(笑)
葉狩
私は「0か100」で物事を考えてしまい、自己満足ですが完璧の100でなければ一歩を踏み出すことすらできません。それを「0より1」に換えて、「大きな一歩を踏み出すには、小さな一歩の積み重ねが不可欠だ」と心では思っています。でも、なかなか行動できなくて。どうすれば思考を転換できるのか、ヒントがあれば聞きたいです。
社長
これは深い質問ですね。自分のウィークポイントを理解して、客観的に自分を見れているだけでも二重丸です。一歩を踏み出すコツは、まず口に出すことですかね!!周りの人に話して自分を追い込むと、踏み出しやすい環境になるように思います。
嵯峨根
同じように思っている人が、もしかすると周囲にいるかもしれません。自分一人で踏み出すのは大変なので、その一歩を踏み出す仲間を探す作戦ですね。
社長
「一歩踏み出し同盟」を立ち上げるのも一つの方法かも・・・(笑)ストイックな人は、一人でもできると思います。でも私は真逆の人間なので、とりあえず周りに言ってしまって、周囲の人を巻き込んで一緒に踏み出して行く。それが私流のやり方ですかね。
[未来創造本部営業部営業一課]  葉狩 みなみ
[未来創造本部営業部営業一課] 葉狩 みなみ
[メディア創造本部報道部] 清水 寛大
[メディア創造本部報道部] 清水 寛大
葉狩
具体的に、これを実践したことで同じ考えの人と出会えたり、周りの人が一緒に動いてくれたりした事例があれば、教えてください。
社長
軽い話で申し訳ないですが、すごく身近なことではダイエット。
葉狩
誰が一番やせるか、体重を落とせるか、競争したのですか?
社長
はい、15年ぐらい前に45日間で10kgを落として優勝しました。それも一人では大変だけれど、同僚5人で取り組んだので出来ました。決して、マネしないでくださいね(笑)。
嵯峨根
動機付けになることを、自分で創り出すことがポイントと言えそうですね。
社長
若いからこそ、失敗も織り込み済みで挑戦できます。心理学を学んだことがあって、こうしてはいけないと幼い頃にすり込まれてトラウマになっている人は、その思考をまず落とさなければなりません。「〜しなければならない」を少し緩和することは、生きていくうえで大事なことです。ルーティーンにこだわり過ぎるのもどうかな。それ以外のことを踏み出しづらくなりますから。良い意味の「いい加減さ」を身につけてほしいと思います。
曽田
私も失敗を恐れて、なかなか一歩が踏み出せないのが短所で、直したいと思っています。社長の“失敗をネタにする”“良い意味でいい加減に”は、すごく胸に刺さりました。
曽田
今までのご経験から、社会人1、2年目のうちにやっておいた方が良いと思われることはありますか?
嵯峨根
社長が20代のときに経験しておいて良かったことも、教えてください。
社長
若いときは、質だけでなく量も必要ではないでしょうか。私の場合、社会人1年目は議員秘書として、本当にたくさん働きましたね。私にはこの経験があったので、後に大変なことがあっても「あの時に比べれば」と思えました。それから、沢山の人とリアルに出会うことも大事です。20代のときに沢山の人と知り合えたことが、今では貴重な財産となっています。
曽田
出会いは本当に大切だと私も実感しています。営業部所属時に担当していた電器店の方からは、嬉しいことに今でも可愛がっていただいています。
また、UターンやIターンした若者たちがもっと気軽に出会えたらいいなと思っています。みんなで集まって語り合ったり、情報を交換できたりする場所をつくりたいです。
社長
それはいいですね。応援しますので、ぜひ一歩を踏み出してください。
CROSS TALK

PHASE. 2
仕事で大切な「使命」「感謝」「挑戦」

清水
社長が仕事をする上で大切にしていることがあれば教えてください。
社長
3つのキーワード、「使命」「感謝」「挑戦」を大切にしています。使命感を持ってやる仕事と、やらされ感でやる仕事は、その中身がまったく違うと思います。自分が何のために入社して、何をすれば地域や人のために貢献できるのか。ぜひ考えてみてください。感謝は、すべてのエネルギーとなります。「この街の人々にお世話になったから」「この人に恩返ししよう」と思うと、どんなに辛くても仕事が楽しくなって、結果的に自分も成長することができます。また、挑戦する事はとても大切な事です。この地域に何が必要かを常に考えて、今後も新たなことに挑戦し続けていきましょう。そして、言うまでもなく「誠実」であることも大切だと思います。当社では万が一、会社が誠実でない事業運営をしたら「社長、それは不誠実です」と、全社員が言える権利を持っています。しっかりチェックしてください。
清水
たしかに、新入社員でも言える雰囲気があります。大切にしていることのほかに、好きな言葉や座右の銘、人生の指針にしている格言などはありますか?
社長
中学生のとき、学生手帳に格言が表記してあり、そのひとつを社会人になってからも座右の銘にしてきました。「いやしくも人間としての自覚あるものにとって、情熱なしに為し得るすべては無価値」というドイツの社会学者の言葉です。私は死ぬまで情熱を持ち続けたいですね。実は、高校時代のあだ名は「熱血加藤」だったんですよ(笑)
葉狩
そんなに長い格言が鮮明に出てくるのは、どこかに書き残されているのですか?
社長
書き残しているものもありますね。例えば、私の手帳に書いてある格言の1つは、議員秘書のときに尊敬していた先輩が書いてくださったもので、33年間ずっと持ち歩いています。それから急逝された前社長から頂いた形見の万年筆は、いつも上着の内ポケットに守り刀として挿しています。引き継いだこの会社をしっかり守り、成長させて次世代に繋げますという想いを持っています。
曽田
私にはまだ座右の銘や格言がなくて・・・。今回社長の格言を知ることができて良かったです。格言は本を読むことで出会えると思っていましたが、社長は学生手帳や恩師から得られたと聞いて「言葉も出会いであり、出会いは大切である」と改めて思いました。
CROSS TALK

PHASE. 3
人の役に立つことを「創造」する企業へ

牧野
当社では今年度から組織改革として、各本部の名称に「創造」が付きました。「創造」という言葉への想いや変更意図を教えて下さい。また、なぜこのタイミングだったのでしょうか?
社長
「名は体を表す」と言います。例えば、私が理事を務めている地域新電力事業の団体は『ローカルグッド』という名称です。この団体は、「地方にとって良いことをし、地方を元気にする」という主旨を深く理解したメンバーだけが集まった団体で、どんなに大企業でも理念が伴わなければ入会することはできません。この事から名称は重要だと考え、当社にとって創造すること、クリエーター集団であることが普遍的に大事だと思い、各本部の名称に「創造」をつけました。また、なぜこのタイミングだったかというと、近年はコロナ禍になったり、ロシア・ウクライナ戦争が起きたり、日本各地で自然災害が発生したり、色々なことを経験するうちに考えるようになりました。何より今日、メディアもエネルギーも通信も、私たちがやってきた事業の全てが転換期に来ているので、いまこそ“その時”だと直感しました。
葉狩
ほかにも候補の言葉があって、その中から「創造」に決まったのですか?
社長
はい、いくつかある中から選びました。現在の事業に新しい事業をプラスする「創造」だけでなく、逆に現在の事業をやめることも「創造」といえます。会社をより良くするアイデアとして、社員みんな、とくに若手社員には、自由に「もっと、こうしましょう」という提案を期待しています。
嵯峨根
今は、未来がどうなるか分からない時代です。だからこそ、チームで新しいものを継続的に生み出す「創造」が大切なのですね。
社長
その通りです。前社長が「ゆでガエルの法則」をよく語っておられました。私たちの事業はストック型ビジネス(仕組みやインフラを作り、定額サービスを提供することで、継続的に収益が入るビジネスモデル)なので、急に業績が下がることはありません。だからこそ、余計に先のことを考えて能動的に行動しないと、知らない間に茹で上がって手遅れになりかねません。
[未来創造本部営業部営業二課] 嵯峨根 緑
[未来創造本部営業部営業二課] 嵯峨根 緑
[未来創造本部営業部広報課] 牧野 衣里
[未来創造本部営業部広報課] 牧野 衣里
清水
お話を聞いて、現状に甘えないで次を目指し、ゼロから何かを生み出していくために創造力を高めたいと思いました。
葉狩
創造力を養うため、何を心掛ければ良いでしょうか。あるインタビュー記事で「目的さえ持っていれば必ず道は開ける」という社長の言葉を拝見しました。仕事をする日々の中で、一貫して心に強く留めておられることがあれば教えてください。
社長
私は、高校の卒業文集に「いざという時にお役に立ちます」と書きました。当時から人の役に立つ仕事に憧れ、自分にとって重要な価値観だと思っています。今では中海テレビ放送を通じて、地域の役に立てる事業をさせてもらっています。よく「中海さんのおかげだ」と言っていただくんですが、私はそう言っていただけることが何よりも嬉しいです。
清水
私は入社後、この会社には「人のお役に立ちたい」という想いを潜在的に持っている人たちが集まっているなあと感じました。
社長
本当にそうですよね。当社の社員は、貢献が使命だと強く考えるひとばかりです。私が若いときに読んだ本に「想い続ければ、そこに到達できる」と書いてありました。それ以来、この言葉が私の信念となっています。しっかり目的を持ち、誠実に想い続けることで、みなさんの願いは必ず叶うと思いますよ。
牧野
想うだけでなく、それを実現するために「今の自分に何が出来るのだろう」と考えて行動することで、運命って巡ってくるんですね。
CROSS TALK

PHASE. 4
転換期だからこそブルーオーシャン

牧野
当社は「ジョブローテーション」を採用していますが、今どこかの部署で働けるとしたら、どこで働いてみたいですか?
社長
どの部署でも働きたいけど、強いて挙げるならメディア創造本部かな。なぜかと言えば、メディア業界は今が大きな転換期なので世界のトップランナーになれるチャンスもあるからです。従来の枠にとらわれないで挑戦すれば無限の可能性がある市場であり、ブルーオーシャンの世界もつくれ、やりがいがあります!
葉狩
番組制作系の部署ですね。大きな転換期に来ているからという言葉に、「向かい風も追い風に変えてしまおう」という勢いを感じました。私もそんな活力あふれる人間でいたいです。
曽田
今、会社のメディア戦略プロジェクトに参加しており、今後のメディアのあり方について日々考えています。直面している課題を創造的思考で、ポジティブに乗り切りたいと思います。
社長
がんばってください。私もポジティブに頑張ります!みなさん、今日の対談はどうでしたか?
嵯峨根
メディア創造本部で働きたい理由が「転換期だからこそブルーオーシャンを見つけるチャンスだ」という考えに驚きました。ピンチをチャンスに変える。そんな思考を社長が持っておられるから、会社として様々なチャレンジを行うことができるのだと感じました。
牧野
入社してから日々実感していることですが、中海テレビ放送ならではのオリジナリティが一番あるのは自主制作番組だと感じています。テレビ離れと言われますが、地域情報というコンテンツはニーズとして、ずっとある普遍的なものです。今後はテレビという形にとらわれることなく、地域情報を必要としている方にお届けすることが大切だと思います。広報課として、中海テレビ放送が制作するコンテンツをより多くの方に知っていただけるよう、がんばりたいと思いました。
曽田
社長のお話の中で、人も言葉も出会いをとても大事にされているのが素敵だと思いました。これからは積極的に地域のイベントなどに参加して交流関係を広げ、出会いを大切にしていきます。
葉狩
社長が高校時代から一貫して、「人の役に立つこと」を想い続けて実現されている話しなどを聞くうちに「自分の人生で一貫していることは何だろう?」という疑問が生まれ、人生をもっと広い目で見るきっかけになりました。
清水
今回のクロストークを通して、社長の人柄や会社への想いを知ることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。こういった対談ができる事も当たり前ではないと思うので、今回の経験を今後に活かしていきます。
社長
私こそ、みなさんに感謝しています。この会社の可能性は無限大です。一緒に楽しく頑張りましょう。これからも宜しくお願いします!ありがとうございました。
[メディア創造本部コムスク事業部] 曽田 凜子
[メディア創造本部コムスク事業部] 曽田 凜子

加藤 典裕(かとう のりひろ)
鳥取県米子市出身
【1989年入社】   代表取締役社長
曽田 凜子(そた りんこ)
鳥取県米子市出身
【2021年入社】 メディア創造本部コムスク事業部
牧野 衣里(まきの えり)
広島県広島市出身
【2021年入社】 未来創造本部営業部広報課
嵯峨根 緑(さがね みどり)
京都府京丹後市出身
【2022年入社】 未来創造本部営業部営業二課
清水 寛大(しみず かんた)
鳥取県米子市出身
【2022年入社】 メディア創造本部報道部
葉狩 みなみ(はがり みなみ)
鳥取県八頭郡出身
【2022年入社】 未来創造本部営業部営業一課